【アメリカ編】ボーディングスクールのレベルや規模による特徴

ボーディングスクールのレベルや規模による特徴
アメリカのボーディングスクールは以下のように、さまざまなレベルや在籍学生数のボーディングスクールがあります。
1. The Ten Schools(テンスクールズ)
アメリカにはアイビーリーグなど名門の大学が多くあるのですが、それらの難関私立高へ卒業生の多くが進学をする高校があります。中でも創立から100年から200年以上たっており、学術的権威のある10校が選ばれテンスクールズとよばれています。
1.1 The Ten Schoolsのリスト
The Ten Schoolsは以下の10校となります。
- Philips Academy Andover(マサチューセッツ州)
- Philips Exeter Academy(ニューハンプシャー州)
- Choate Rosemary Hall(コネチカット州)
- Deerfield Academy(マサチューセッツ州)
- The Loomis Chaffee School(コネチカット州)
- The Hill School(ペンシルバニア州)
- The Hotchkiss School(コネチカット州)
- The Lawrenceville School(ニュージャージー州)
- St. Paul’s School(ニューハンプシャー州)
- The Taft School(コネチカット州)
以上のように、
マサチューセッツ州 2校
コネチカット州 4校
ニューハンプシャー州 2校
ペンシルバニア州 1校
ニュージャージー州 1校
と全てがアメリカ東部に位置しています。いずれもアメリカ最高峰の大学が揃うアイビーリーグがある州だということは偶然ではないでしょう。
1.2 The Ten Schoolsの歴史
以下のように、The Ten Schoolsは最も古くて1778年創立、新しい学校でも1891年創立と歴史のある学校ばかりです。
- Philips Academy Andover(1778年)
- Philips Exeter Academy(1781年)
- Choate Rosemary Hall(1890年)
- Deerfield Academy(1797年)
- The Loomis Chaffee School(1874年)
- The Hill School(1851年)
- The Hotchkiss School(1891年)
- The Lawrenceville School(1810年)
- St. Paul’s School(1856年)
- The Taft School(1890年)
1.3 入学基準
入学する際の基準ですが、学校での成績だけでなく、課外活動での活躍も必要となります。アメリカは課外活動での活躍を高く評価する傾向にあるのですが、ボーディングスクールの中でもトップの学校でも同じように課外活動を評価するということです。
1.4 急激な国際化
アメリカ人でも入学することが簡単ではないテンスクールですが、近年国際化することによりアジア系の留学生が増えています。現在アジア系の留学生は全体の1割程度ですが、今後さらに増えていくことが見込まれます。
2. Strong Prep School (ストロングプレップスクール)
上記のThe Ten Schoolsの次に位置する学校であり、卒業生のほとんどが大学に進学します。またStrong Prep Schoolの卒業生の多くはアイビーリーグなど難関校に進学しています。
プレップスクールとは大学進学のために準備をする学校のことをいい、その中でも特に大学進学に力をいれている学校ということになります。
3. Small Boarding School (スモールボーディングスクール)
在籍学生の多いThe Ten SchoolsやSmall Boarding Schoolと比べて、スモールボーディングスクールは在籍学生数が200人以下と少人数で運営している学校です。
3.1 先生やスタッフにいつでも相談できる環境
スモールボーディングスクールの良さは、なんといっても先生とスタッフがいつでも話し合える状況にある他、学校のスタッフとも密な関係になっている学校が多いです。そのため授業の内容以外でも、課外活動や大学への進学、また普段の生活、文化の違いでのとまどいなど何でも相談できる環境にあるのです。
場合によっては、校長先生や理事長などが生徒と一緒にカフェテリアで食事をしているといった様子を見ることもできます。
3.2 小規模でも有名大学へ入学できる
小規模のボーディンスクールであっても、一人一人にたいしての充実なサポートがあることからアイビーリーグなどのトップレベルの大学へ進学する生徒も少なくありません。
3.3 入学時に高い英語力が必要ない
スモールボーディングスクールは入学時に高い英語力を求めることはすくなく、英語力が足りない学生であってもESLが充実していることが多いため日本からの留学生にはおすすめです。また日本での平均成績があまりよくなくても、2.0や3.0であっても十分に入学のチャンスがあります。
アメリカの高校留学は、基本的に英語力が必要で中学校での成績が必要です。しかし英語力が足りない場合や成績が平均以下である場合でも、高校留学するチャンスが全くなくなるわけではありません。入学時のエッセイを書く際に、「自分はこれまでこのようなことで苦労してきたけど、留学をしたらこのようなことがしたい」とはっきりとやる気を見せることが大切です。
4. Independent School League
ボストンなどニューイングランド地域に集まっている格式や伝統のある16校が参加する連盟です。この16校内で文化的な交流を行っています。全体的な規模はTen Schoolsに比べて小規模である学校が多いのですが、レベルはTen Schoolsに決してひけをとりません。どの学校も総生徒数は290人から700人の間と、一人一人に対しての充実したサポートが売りです。
少人数制でデメリットをあげるとするなら、選択科目が少ないことです。そのため勉強したい科目があることを確認することが必要です。
またそれぞれの学校の歴史でですが、1645年のRoxbury Latin Schoolを初めTen Schoolsよりも深い歴史がある学校も多いです。またこのRoxbury Latin SchoolはハーバードやMITなど多くのエリート大学に卒業生を輩出していることでも有名です。
またIndependent School LeagueはTen Schoolsのように全てがボーディングスクールというわけではありません。ここではボーディングスクールだけリストアップします。
- Brooks School(1926年)
- Governor’s Academy(1763年)
- Groton School(1884年)
- Lawrence Academy at Groton(1793年)
- Middlesex School(1901年)
- Milton Academy(1798年)
- St. Mark’s School(1865年)
- ※St. Paul’s School(1856年)
※ St. Paul’s SchoolはTen Schoolsにも所属しています。